MacBookAir Mac修理レポート

コーヒーこぼし!MacBookAir のトップケース交換とバッテリー修理

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MacBookAir(13-inch, 2017)モデルの修理レポートです

今回ご紹介するのは千葉県松戸市のお客様からMac修理のご依頼です。

ご使用中に飲んでいたコーヒーをMacBookAirのキーボード上にこぼしてしまったので、すぐに電源ケーブルを外しキーボードの上にこぼれたコーヒーを拭き取りシステム終了させ別の場所に移動させたそうです。その後は乾いた布の上に少し液晶を開いた状態(逆Vの字のような形)で乾燥させて24時間放置したとの事。あとから見たら敷いていた布の上にコーヒーが滲み出ていたそうなので、それなりに混入したのは間違いなさそうですが、丸一日時間をおいたあと恐る恐る起動させたら正常に起動、ACアダプタを挿してもちゃんと認識されたそうです。

ただ起動はしたものの、液晶を開くとコーヒーの匂いがすることや、キーボードを押すといくつかのキーで引っ掛かりを感じるようになったということで、弊社にご相談いただきました。

初期診断開始

早速初期診断開始です。お客様曰くご依頼までの間にキーボードの状態が悪化したそうで、具体的には押した時の違和感だけでなく文字入力も本来押しているキーとは違う意図しない文字が入ったりしてしまうようになったとの事。これは間違いなく液体混入による影響だと思われます。液体混入は時間の経過と共にさらに状態が悪化するケースも多々あるためですが、こうなるとキーボード以外の部分への影響も心配になってきます。

内部への液体混入状況の確認

本体内部に液体が残っていた場合、うかつに本体を起動させようとすると基板がショートしてしまう恐れもあるため、はやる気持ちを抑えてまずは本体底蓋を開けて内部への影響を確認します。

その結果、今回の場合はトラックパッドとトップケースの境目とボトムケースにコーヒーの痕が見られた事と(赤丸内)

 

あとはバッテリーの液体混入シールに反応がありました。

幸いながらロジックボードには影響なし

上記結果を見るだけで、トップケースのキーボードやトラックパッドのあたりから混入したコーヒーがバッテリーを通り越して裏蓋部分にまで浸食した事がわかります。こうなってくるとあとはロジックボードがどうなっているかですが・・・・

神に祈るような気分でロジックボードを取り外してみたところ、上記写真の通りキーボードの裏側にあたる黒いカバー部分には液体の痕がなく、ロジックボードも無事でした。これは不幸中の幸いでした。
どうやらコーヒーはトラックパッドの境目から入った分だけが底まで侵入し、キーボード部分についてはカバーのおかげかそこで止まってくれていたようです。

トップケース交換

ロジックへの影響がない事が判明したため、改めて本体を組み上げ直し電源投入。今度はキーボードの状態を診ます。すると主には左下のキーのいくつかが正しく動作しない事がわかりました。(例えばOptionを押すとControlが一緒に押されるなど)
これら誤動作に加え、液体による押した時にペタつく違和感があることから今回はキーボードトップごとの交換をご提案する事となりました。

交換後に予期せぬトラブル発覚

数日の後に、交換用のトップケースが到着したため早速交換を完了しました。交換後は全てのキーについての文字入力のテストやキーボードバックライトが正常に動作するかなどを入念にテスト。これら全てパスしましたので、あとは検査ツールを使っての全体の動作試験をパスすれば完了・・・・といったところまで来たのですが、ここで思わぬ不具合が検知されました。

なんとバッテリーにエラーが検出されたのです。
このバッテリー、お預かり直後の検査では特に異常なしとなっていたので最初は何かの間違いかなと思ったのですが、試しにお客様のバッテリーを別の検証機に取り付けても同じくエラーが発生。逆に検証用のバッテリーをお客様の本体に取り付けてテストしたところ、異常なしと出ました。

一旦は異常なしとご報告したあとだった為、何とも心苦しいご報告にはなりましたが、まさに先に述べたとおり(液体混入は時間の経過と共にさらに状態が悪化するケースがある)の経過をたどってしまいました。

冷静に考えてみれば、バッテリーの液体判定サインにも反応が残っていましたし、トップケースからかかったコーヒーの痕がバッテリーの下のボトムケースにもあったという事からしたら、バッテリー自体の内部にも液体が侵食していてもおかしくないわけで。

追加でのバッテリー交換も完了

追加の交換の必要性をご案内したところ、最初の見積もりの時点でバッテリーへの影響を写真付きでご説明していたことから交換をご快諾いただきました。

全ての交換が終わり全てのテストをパスし、問題ない事を確認しようやく完了のご連絡となりました。
今回の修理を経て、液体混入の影響は目視だけではわからない部分が多いことを改めて実感する事となりました。この液体こぼしというトラブルはどんな世代のMacでも起こりうるもので、実際問題としてこの種の問い合わせが非常に多いことから誰にでも起こりうる身近なトラブルと言えると思います。

そこにきて液体混入はメーカー修理では高価な修理費用になるばかりか、データの保護も行なってくれない為、相談したは良いが修理依頼に踏み切れずにいる方も多いのではないでしょうか。
この点弊社ではお客様の大切なデータを無闇に消去してしまうこともありませんし、必要最低限のご負担での修理をご提案するようにしておりますので、今回のようなケースで困ってしまっている方はアーストへ是非ご相談ください。

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