G4・G5・Vintage Mac修理レポート

【起動音は鳴るが起動しない】PowerMacG4の電源ユニット修理

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PowerMacG4(QuickSilver2002)モデルの修理レポートです

今回の症状は、本体の電源は入り「ジャーン」という起動音は鳴るもののモニターは真っ暗なまま。キーボード、マウスに電気は供給されているようだがファンが動いている音はしない・・・いうものでした。

うんともすんとも言わないという状態であればこの本体によくある基板上の通電不良または電源ユニットの問題かというところなのですが、起動音もして通電もしているというお話だったので、当初はグラフィックボードあたりが怪しいかもしれないなという見立てでした。

初期診断開始

本体が到着し早速診断開始です。電源ボタンを押すと威勢良く『ジャーン!』といういつもの起動音はするのですがディスプレイへの映像出力がありません。各種リセットも効果がないためグラフィクボードを交換してみました。
しかし画面は映らないまま。もっとも怪しいと見ていたグラフィックボード交換が効果なかったので、若干落ち込む気持ちを抑えつつ別の原因を探ります。
続いてはメモリです。

メモリを交換するもこちらは改善せず。メモリでないとすると残るはCPUまたはロジックボードか??という事でお次はCPUです。

淡い期待を持ちつつ、その反面心の中では『ロジックっぽいな〜』と思いつつCPUを交換。ただこれもダメでした。
でもこうやって一つ一つ疑わしい部分を試していくと消去法のように問題点が絞れてきます。この時点で自分的には『あ〜ロジックかぁ』と思っていました。ところでPowerMacG4シリーズはその後のG5やMacProなどに比べるとロジックボードの交換が簡単です。全部の機種これぐらい簡単にしてくれたら良いのにと思うぐらい簡単です。という事で大本命のロジックボード交換と相成りました。

 

まさかの電源ユニット不良

確信をもって行なったロジックボードの交換でも本体の異常は改善出来ず。そうなったら残りはなんだ? HDDや光学ドライブとの接続ケーブルを外しても同様、増設スロットに搭載されていたSCSIボードを外しても変わらず。そして極め付けは上記取り外した各パーツを同型のPMG4QS完動品に取り付けてみたところ全てのパーツが正常であったという結果に。。。。。

すっかり途方にくれた・・・ではありませんが、何が悪いんだ?と自問自答状態に入っておったところ一箇所だけまだ交換を試していないパーツがあるのを発見。そう!電源ユニットです。
まぁこれは思い込みによる過ちともいえますが、最初にお客様からご申告いただいた時から電源じゃないだろうと勝手に決めつけていたのかもしれません。でもよくよく考えてみれば確かに電源ユニットの故障も『全く電源が入らない』というのもあれば『電源は入るがすぐに落ちてしまう』とか『電源入る時もあれば入らない日もある』というように症状は様々なんですよね。

しかし今回に限っては電源ユニットは不具合原因の容疑者から外されていました、というか外していました。その後電源を交換してみたところなんて事はないあっさり画面も映り正常に起動してくれました。おそらく電源ユニットが経年により劣化して安定した電源供給ができなくなっていたというところなのだと思いますが、いやしかし灯台下暗し。

原因が判明した時にとっさに頭に浮かんだのは『散々遠回りしたけど、最初から電源変えてみれば良かった!!』というところですがまあこれは結果論で(笑)

まとめ

という事で今回はPowerMacG4の電源ユニット修理の記事をご紹介しました。日々様々な修理を行なっていると典型的な不具合原因もあれば全く予想もできない検証結果が出ることもあります。まだまだMac修理は奥が深いですね。
話は戻りますが今回のPowerMacG4QSは2002年モデルという事で交換パーツもかなり入手が困難になってきております。それでも弊社では市場から手に入る限りは修理を続けていきますので新旧問わずお持ちのMacに問題が起きた際は是非弊社までご相談ください

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