Macのノートブックタイプでは、ほぼすべてのモデルでデジタル音声出力が廃止されてしまいました。。。
例えば、DTMの音楽制作現場において、古くからMacは必需品です。
楽曲の管理が出来るソフトウェアとしてiTunesが登場し、いつでもどこでも手軽に自分の好きな楽曲やプレイリストを携帯して聴けるようにしたiPodの登場により、Appleはより音楽を人にとって身近なものへと昇華させました。
皆さんも毎日、iPhoneで音楽を楽しんでいるのではないでしょうか。
Appleはその製品達により、人と音楽の付き合い方の改革を推し進めてきたのです。
そもそもMacには、従来からオーディオ(音声)出力端子が搭載されています。
※PowerBook2400の音声出力端子
※iBookG3 クラムシェルの音声出力端子
イヤホンやスピーカーなどをこの端子に接続させれば、もちろん当たり前の様に音が出ます。
しかし、この音声出力にはアナログ音声出力とデジタル音声出力があるのをご存知でしょうか?
アナログ音声出力とデジタル音声出力の概要に関して、詳しくはお調べ頂くことをおすすめしますが、
ざっくり言うと、
アナログ音声出力=ケーブル品質の影響により音質変化が起きやすい
デジタル音声出力=ケーブル品質の影響による音質劣化が発生しない
ということになります。
※代表的なアナログ音声ケーブル(ステレオミニーRCA)
※代表的なデジタル音声ケーブル(角形ー角形)
ちょうどiTunesやiPodが登場した頃からでしょうか。
Macやパソコンを含めたデジタル機器からオーディオ出力の利用頻度が増えていった時期でもあります。
もちろんMacもアナログ音声出力に加えてデジタル音声出力にも対応していきました。
“より良い音質を保ったまま音楽を楽しみたい”
デジタル音声出力はそんなオーディオユーザーの要望に答えた規格でもありました。
減少していくMacのデジタル音声出力
2017年4月現在。
Macの現行機種のラインナップの仕様を比較して驚きました。
デスクトップモデルは、Macmini、iMac、MacProすべての機種がデジタル音声出力に対応していますが、
ノートブックモデルでは、MacBook、MacBookAir、MacBookPro共に、ほぼすべてのモデルにおいてデジタル音声出力が廃止されてしまいました。
(※まだ販売が継続されているMacBookPro2015年モデルのみデジタル音声出力に対応しています。)
光学ドライブの廃止による超薄型化、高解像度のRetinaディスプレイや長時間駆動バッテリーの搭載の進化の陰でひっそりと、デジタル音声出力は廃止されていたのです。
Macはデジタル音声出力に対応しているのか?そもそも分かりづらかった
デジタル音声出力が廃止された要因として、もちろんさまざまな理由は考えられますが、デジタル音声出力で音楽を再生しているMacユーザーが少なかったのではないでしょうか。
PMG5やシルバータワーのMacProを除き、Macがデジタル音声出力に対応しているかどうかがそもそも本体の外見では分かりづらかったと思います。
現行のデスクトップタイプのMacでもそうですが、画像のように3.5mmステレオミニジャック1つでアナログ音声出力もデジタル音声出力も対応出来てしまっている事が、その存在感を忘れさせる大きな要因だったのではないかと思います。
デジタル音声出力が廃止された驚きより、そもそも今までMacが対応していた事に驚かれる方のほうが多いかもしれません。
3.5-mm analog/optical combo jack として、1ポートでアナログもデジタルも両対応だった
※iMacG5
※MacBookPro
iPhone7からみる、Appleの音声出力の考え方
iPhone7では3.5mmステレオミニジャックすら姿を消してしまいました。
かろうじてまだ付属の変換アダプタで3.5mmステレオミニジャックを使用出来ますが、おそらく将来的にAppleは、Macを含めたすべての製品に対し3.5mmステレオミニジャックを廃止するつもりなのかもしれません。
AirPodsの登場からも、Appleとしては音声出力はAirplay対応のBluetooth製品などに、そもそもケーブルからワイヤレスへその市場を移行したいのではないでしょうか。
※Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ
Appleはまだまだこれからも人と音楽の付き合い方の改革を続けていくのだろうと思います。