iMac(21.5-inch,2012)モデルの修理レポートです
今回ご紹介するのはiMacの液晶が割れてしまったというご依頼についてです。ご自身で内蔵のHDDをSSDに換装しようと分解したは良いが液晶の右端に1cmほどの傷がついていたそうで、そこからヒビが広がってしまったとの事。
実はこのパターンは結構あります。我々も実際に体験していますがほんのちょっとの傷がついているだけでこうなるんです。これは本体の構造上の問題なのだと思いますが、実際どういう事かと言いますと。。。。
液晶パネルが強力な両面テープで接着されている
以前のiMacはまず表面にガラスパネルがあり、それが本体のフレームに磁石で取り付けられていました。同じく液晶パネルはネジで取り付けられていました。そのため例えばHDDの交換を行う場合は、まずガラスパネルを吸盤で引っ張って取り外し続いて液晶パネルをネジで外す。これによって本体内部まで到達する事ができました。(下記は2011年以前のiMac)
ところがです。2012年〜現行のiMacは液晶と表面のガラスが一体化しており分離が出来なくなっています。そしてそれ自体がネジではなく強力な両面テープで固定されているので、分解するには専用の工具を使って(簡単に言うと)こじ開けるような感じで取り外すんです。そのため今回のように液晶部分に少しでも傷がついていると、こじ開ける際ガラス面に負荷がかかる事で『パリパリッ』とヒビが広がってしまう。。。。最悪の場合は完全に割れてしまったりするのです。今回はまさにこのパターンでした。
2012年以降のiMacは表面のガラスのみの交換はできない
上記の通りこのような構造をしている関係で表面のガラスにヒビが入ったり割れたりした場合はガラス部分だけを変える事ができなくなったんですね。これは正直痛いです。費用だってガラスを変えるだけに比べたら液晶パネルごと変えなければならないんですから必然的に高額になってしまうのは避けられない
交換作業開始
お客様に上記事情をご説明し、お見積もりや納期のご了承をいただいた上で交換用の液晶パネルを手配、到着後に取り付け作業を行いました。
ちなみに参考のため上下の写真をそれぞれ見比べていただきたいのですが、上の写真は2011年以前のモデル(左右に4つずつ固定用のネジ穴がありますよね?)
そして下の写真は2012年以降のモデル(こちらはネジ穴がありません)となります。
一番最初にこの仕様変更を知った時は『両面テープで固定するなんて意外に安っぽいなアップル』と思ったもんですが、本体の薄さや軽さなど色んな部分を考慮しての事なんでしょう。デザインにこだわるAppleならではの発想なのかもしれませんが。
交換作業無事終了
はい!このような形で無事に交換が完了しました。今回は元々お客様がHDDをSSDに交換したいというご意向があって始まった事だったので、液晶パネルを交換するのと同時に弊社にてSSDの交換作業を合わせて行わせていただきました。液晶が新しくなると見た目が新品のように綺麗になりますし、そこに加えSSDに交換した事で起動も倍以上速くなり、お客様も『新しいiMacを買ったみたいだ!』と大変喜んでいらっしゃしました。
iMacの液晶パネルは近所の家電量販店で取り扱っているようなものではありませんし、自力で入手するにしても同じ薄型のiMacでも2012〜現行のモデルまでで世代によって内部の構造が全く違うので、見た目だけで判断するとせっかく買ったのに本体に取り付けられなかった・・・なんていう事になりかねません。もし万が一液晶パネルを交換するようなことになった場合は経験と実績のある弊社にお任せください!