Mac mini (2018) の修理レポートとなります
東京都国分寺市にお住まいのお客様から『Macminiを起動させると再起動を繰り返すようになってしまった』というご相談をいただきました。
Appleの診断
今回ご依頼いただく際に詳しい症状と問題発生の経緯などをお伺いしたのですが、ある日いつものように起動させようと思ったら再起動が繰り返されて起動できなくなってしまったそうで、メーカー(Apple)のサポートに相談したらmacOSの再インストールをしないと直らないと言われたそうです。そのため言われるままに初期化を行ったのだが、今度はシステムのインストールすらできなくなってしまったとのこと。また購入時に自分でメモリの増設をしていたため、メーカーからは改造を施している場合は修理できないかもしれないと言われたそうです。
弊社での診断
このモデルのメモリ交換(増設)を改造と呼ぶのかどうかは微妙ではありますが、ともかくセカンドオピニオンとしてしっかりと検証させていただきます。
まず最初に起動を試したところ?マークが表示されました。こちらは事前のご申告にあった通りご自身で初期化を行ったということなので、起動システムが入っていない状態という事ですね。この状態でハードウエアの検証ツールを使ってテストしたところメモリにエラー検出。
これまでも同じような起動時に再起動が繰り返されるという症状の修理を行ってきましたが、原因で多いのはやはりメモリの故障かシステムの故障。まれにロジックボードの故障というのもありますが、今回ははっきりとメモリにエラーが検出されたので、まずはメモリの不良を疑います。
2枚挿さっているうちの片方のメモリ
メモリエラーの場合、メモリ自体にエラーが出ているケースとメモリが挿さっているロジックボードのメモリスロット側に問題があるケースがあります。
前者であれば同箇所の交換すれば良いのですが、後者の場合はロジックボードの修理が必要となります。
またこのモデルはメモリの着脱が可能なモデルですが、昨今のMacはメモリやストレージがロジックボードに組み込まれてしまっているため、メモリ不良でもロジックボードの故障という扱いになってしまいますし、別の箇所が原因なのに電源が入らなくなったせいでデータが取り出せなくなってしまうなんて言う恐ろしいケースも近頃は存在します。
ただし今回は2枚挿さっているうちの片方のメモリの問題でした。上記視点で考えると1番マシなケースだったのかもしれません。
アクティベーションロック
今回の直接的な不具合原因はメモリにあったわけで、こちらについてはメモリの交換を行うことで解消しましたが、お客様にてHDDの初期化を行っていたため、別途OSのインストールを行う必要がありました。
このモデルにインストール可能なOSのバージョンをお知らせした上でお客様のご意向に則り現行の最新OS『macOS 14 Sonoma』を新規でインストールする事になりました。
しかしいざインストールしようと思ったら、この本体にはセキュリティの一種であるアクティベーションロックがかかっていることがわかりました。こちらが有効になっていると仮にHDDの初期化を行っていたとしてもOSのインストールはできません。初期化してるのに?と思うかもしれませんが、その辺はさすがAppleしっかりしてます。
これについては所有者が自分のiCloudアカウントにログインした状態で『このMacを探す』という機能をオフにすることで解除することができますので
今回もお客様にお願いして解除、そして無事にOSのインストールが完了できました。
まとめ
Macminiの2018年モデルとなるとすでに三世代前のモデルとはなるのですが、OSもこの記事を書いている2024年6月現在で現行の最新OSまでインストールが可能とまだまだ現役で使えるモデルではあります。中古の市場価格も下がってきて案外狙い目なのかもしれませんね。
とはいえ、発売からは6年ほど経過しているモデルでもありますので、このモデルをお使いの方は普段よりバックアップを取り、急なトラブルに備えつつ使っていただくことをお勧めいたします。そしてもし万が一、動作がおかしくなったらアーストまでご相談ください!!
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