iMac(21.5inch Late2009)モデルの修理レポートです
起動しなくなったという事でご依頼いただきました。元々の症状は起動させても画面が来ないという事でしたので、この頃のiMacによくあるグラフィックボード不良、または液晶パネル不良を疑いました。
ご申告の症状を確認(初期診断)
お預かり後、弊社にて検証を開始したところご申告の症状を確認。まずは液晶パネル不良かどうかを確かめるため外部出力を試しましたが出力なし。液晶に問題があるのであれば本体の画面は映らなくても外部出力は正常に出来ることが多いのですがここでは映らず。この時点でこれは液晶じゃないなと直感した訳ですが、念には念を入れお客様の液晶パネルを検証用の別の本体に取り付けてみたところ正常に映ることが確認できました。液晶は大丈夫ですね。
次に疑ったのはグラフィックボード不良です。
検証用在庫のグラフィックボードを本体に取り付けてどうなるかを確認します。すると普通であれば正常に画面表示がされるはずのところがこれでも映りません。ここからは考えられる可能性を一つ一つ当たっていく事になっていくのですが、別のグラフィックボード、メモリや液晶ケーブル、インバーターなど交換を試すも結局改善せず。消去法で考えて残すはロジックボードという所にたどり着きました。
ロジックボード交換
iMacのシリーズはその世代ごとにCPUのクロックスピードなど細かい性能差はありますが、筐体をはじめとしたハードウエア部分はフルモデルチェンジをしない限り同じものを使いまわしている事が多いです。今回の世代でいうと2009年から2011年のiMacは外見だけでは見分けられないほどです。ただし中身の基板などはその限りでは無いんですね。パーツの配置、ケーブルの挿し口の形状や位置、そしてネジの場所や数など、これらを微妙に変えてきます。
弊社でもこの世代のiMacは数多く分解していますが、私個人の印象では2009年のiMacはその後の2010.2011と比べるとやや分解が面倒な気がします。
まとめ
ロジックボードを交換し本体を起動させたところようやく正常に出来るようになりました。やはりロジックボード不良で正解でしたね。このあとはお客様のアカウントでログインし、ロジックボード以外に問題がないかのテストを行い、問題ない事がわかりましたのでお客様に完了のご連絡いたしました。
この世代のiMacとなると当然のごとく新品のパーツは市場から消え、残すところは中古動作品を入手するしかない訳ですが、それもだんだんと品薄になってきています。それでも弊社ではパーツが手に入る限りこれからも修理を続けていきますので、いまだにこの世代のMacをお使いのみなさんトラブルが起きた際は是非アーストまでご相談ください。