【目次】
きっかけは落雷。停電後、動作がおかしくなった
神奈川県横浜市のお客様より、Macmini 2018 A1993モデルの修理をご依頼いただきました。
1ヶ月前に付近の落雷の影響で停電が発生したことにより、Macminiも急な電源落ちが発生。
停電から回復後、MacminiのLANポートが使用できなくなってしまったとのことでした。
その後は動作が安定せず、不意に再起動を繰り返す症状があったとのこと。
騙し騙し使用を継続していたが、ついに起動できなくなってしまったとのことでした。
パワーランプは点灯して冷却ファンも回転。しかし。。。
診断を行ったところ、ご申告通り起動しない症状を確認。
Macmini本体背面の電源ボタンを押すとパワーランプは白く点灯、冷却ファンも回転を始めます。
しかし、それっきり全く起動しません。
HDMIやThunderboltポートを変換した映像出力共に画面表示なしでした。
分解して故障箇所を探索
SMCリセットなどの基本的なトラブルシューティングでは症状変わらず。
分解をしてロジックボードを取り出しました。
この2018年モデルのMacminiは、Appleシリコンチップを搭載した現行のMacminiと違い、まだ内蔵メモリを自由に交換できるMacminiです。
メモリ不良の線を考え、メモリ交換による検証を試しましたが症状に変化なし。
こうなると、ロジックボード上に問題が潜んでいるということになります。
テスターを使用して、ロジックボードの検査を行いました。
故障箇所を特定
ロジックボードの検査を行ったところ、ロジックボード上にショートが発生している回路を確認。
さらにその回路上の犯人（ショートポイント）を探ったところ、あるICチップの異常発熱を確認しました。
ショートポイントになっていたICチップは、BROADCOM製のICチップ。
LANポートなどのNICに関連するICチップです。
お客様のご申告通り、このICチップに落雷による影響があり、時間と共に顕著となったことが考えられます。
お客様に診断結果と御見積をご報告し、ご了承いただきましたのでロジックボードの修理を実施しました。
故障していたBROADCOM製ICチップを交換
故障していたBROADCOM製のICチップは「BCM57766A1KMLG」。
これを同番の別のBROADCOM製ICチップに交換しました。
故障している「BCM57766A1KMLG」を取り外し
※UN1833 P11
新しい「BCM57766A1KMLG」をハンダ実装
※UE1335 P11
取り外した「BCM57766A1KMLG」
※UN1833 P11
起動回復、修理完了！！
ロジックボード修理によるBROADCOM製ICチップの交換により、無事起動回復しました！
データの損傷もなし。
今回も既存データをすべて保持したまま、修理完了となりました！！
まとめ
落雷による停電の影響、静電気による影響をきっかけに、時間と共にロジックボード上のコンポーネントを痛めてしまうことがあります。
このような「きっかけ」であると考える現象があった場合には、例えその後にMacが正常に使用できても、データのバックアップを常に行いつつご利用ください。
そして何より、故障前後の経緯を詳細にご申告いただくことは、Macを確実に修理するための重要な情報となる場合があります。
弊社にご依頼いただく前にご自身で試してみたことや、他社の診断結果や作業内容なども詳細にご申告いただくことが最善の修理結果に繋がります。
同様に起動しないMacの修理は、ロジックボード修理実績が豊富なアーストへお任せください！！
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