iMac(27-inch,Mid2010)モデルの修理レポートです
今回のご相談はiMacの電源が突如入らなくなってしまったというもの。
古い本体なのでそろそろ買い替えも検討しているが、最新の27inchモデルともなると結構な値段になるという事や当時から使っているAdobeのCS5、Office2011が使えなくなるのが痛いので、総合的に考えて直す事にしたというものでした。
初期診断開始
弊社到着後、早速診断開始。
ご申告通り電源は入りません。以前にもどこかで書きましたが『電源が入らない』というご申告のあった本体も実は画面が点いていないだけとか、OSの起動こそ出来ていないが実は基板上は通電していてファンは回っていた、等の症状も多いのです。
ですが今回は本当にうんともすんとも。完全に沈黙しています。
分解をして原因を究明していきます。
ガラスパネルを取ったのち、ねじ止めされている液晶パネルを外します。内部でメイン基板と接続されているケーブルを切らないように慎重に!!
はい!これが電源ユニットです。結構ほこりが付いてますねぇ。。。
我々の見立てでは、まずこいつが最も怪しい容疑者と言ったところですw
簡単に言えばこいつを正常なものと交換して電源が入るようになれば犯人確定!となるわけですが『ちょっと待った!』です。
不用意にこの電源ユニット部分を直に触ろうもんなら感電の恐れが!(怖)
電源ケーブルがコンセントに挿さっていなくても、本体内部にはまだ電気が滞留している事があるんですよね。我々のようなプロでも年に一度ぐらいはこの被害にあう事があります。怖いんですよマジで。
ちなみにこの世代のiMacの電源ユニットには感電防止の役割だと思うのですが、プラスチックの台座がついてます。ネジを外したら電源ユニットの基板を触らずにこの台座を持てば安全に外す事ができるって訳ですね。
そして無事に電源を取り出し裏返してみると・・・
ご覧いただくと分かると思いますがコンデンサが膨らみ一部は割れちゃっていました。ちなみに正常な電源のコンデンサは下記写真となります。
違い分かりますよね?
もうこの時点で9割9分電源ユニット不良だろうという確信を持つわけですが、仮に見立て通り電源不良だったとしてもまだ油断はできません。
無事に起動!犯人は電源ユニットだった。
Macを始めとするデスクトップPCの電源ユニットは、内部のメイン基板を経由してHDDや光学ドライブなどにも電源を供給しています。このため電源が壊れることによって(その壊れるきっかけや壊れ方にもよりますが)これらのパーツに何らかの悪影響を及ぼす事があるんです。
なので『電源が入るようになったが画面に?マークが出て起動してくれない!』なんて事も有りうるんですね。まぁ滅多にはないですが。。。
なので我々としても最終的なお客様への報告は、通電確認が出来ただけでなく全ての動作チェックがおわってからとしています。
まとめ
今回は無事に電源を交換する事でMacは正常に動作してくれました。検証結果をお客様にご報告したところ『最新のMacに買い換えるのに比べたらかなり安く済んだので、ついでに内蔵HDDをSSDに換装しメモリも16GBまで増やそうかな?』と喜んでいただきました。世代は古くなってきてますが、これらのチューンアップを施せばまだまだ現役でキビキビと動いてくれるのではないかと思います!なんだか我々としても嬉しい気持ちになりました。
この夏は後半になって台風の影響などで連日雷が発生するなど悪天候が続いています。落雷のせいでMacの電源が入らなくなったというような症例も多く、実際にこの時期は同様のご相談も増えておりますので、もしお持ちのMacの電源が入らなくなったらぜひ弊社にお任せください!