MacBookAir（M1,2020）の修理レポートです
東京都杉並区のお客様からMac修理のご依頼です。
新宿ラボへお持ち込みいただきました。
急に電源が入らなくなり、AppleStoreに持ち込んだところロジックボードの故障と診断されたとのことでした。しかし、AppleStoreでのロジックボードの交換修理ではデータが無くなってしまうため、出来ればデータを維持した状態で復旧したいというご希望があり、弊社に修理をご依頼いただきました。
全く電源が入らず。液体が混入した形跡もなし。
初期診断にて、ご申告通り全く電源が入らない症状を確認しました。SMCリセットなども試しましたが改善しないため、ロジックボードを確認していきます。稀に意図せず液体が混入していて症状が発生している場合もありますが、今回は液体混入はなく、ロジックボード基板は全体的に綺麗な状態でした。Thunderbolt3ポートからは5Vの電圧を確認。この場合、目視では判断できないショートが潜んでいる可能性が高いため、テスターなどを使用してショートポイントを探っていきます。Appleシリコンチップ搭載のMacBookProやMacBookAirは、ロジックボードが回復しなければデータを復旧することも出来ません。ロジックボードの回復が重要となります。
ショートポイントの検出
回路図と共にテスターでショートポイントを探っていったところ、電圧が発生していないパワーレールを確認。さらに犯人を特定するため、安定化電源を使用して電圧を注入していきます。これにより著しく発熱するポイントを確認。電源が入らない原因であるショートポイントの検出に成功しました。このショートポイントを改善させれば、データもすべて維持したまま高い確率でロジックボードの通電回復が見込めます。お客様に診断結果と御見積をご連絡し、ご承諾いただきましたため、ロジックボードの修理を実施しました。
検出したショートポイントを改善し、通電回復
検出したショートポイントを改善したところ通電回復しました。お客様のログインアカウント名も確認し、データもすべて維持された状態でロジックボードの修理に成功しました。専用の診断ツールを使用した修理後のハードウェアテストもすべてクリアしたため、これにて無事修理完了です。
まとめ
2020年発売のまだ2、3年しか経っていないAppleシリコンチップ搭載機種でしたが、やはり故障するリスクはあります。SSD（フラッシュストレージ）の登場により、ストレージ故障の事例は減少傾向にあるものの、昨今はロジックボードの故障が増えてきているように感じます。電源が入らなくなったMacの修理はロジックボード修理の実績が豊富なアーストへ是非ご依頼ください。
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