MacBookPro Mac修理レポート

【重度の基板損傷】コンデンサ破裂した MacBookPro A2442 のロジックボードを修理

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電源が入らなくなった

東京都世田谷区のお客様より、MacBookPro (14-inch,2021)‎ ‎A2442モデルの修理をご依頼いただきました。

症状は、Magsafe3の充電ケーブルをつないでもランプが点かず、電源が入らなくなってしまったとのことでした。

MacBookProの電源が入らない症状の原因の多くは、ショートによるロジックボード故障です。
今回もロジックボードの故障が原因となっておりましたが、その中でもとても困難な重度の基板損傷が原因となっていました。
結果として無事に修理をすることができましたが、その様子を修理レポートでお届けします。

コンデンサの破裂を確認

修理をするためには、まずはその原因を探るため、Macを分解していきます。
ボトムケースを開けた瞬間、異臭が。。。
これはもしやと思いロジックボードを取り外したところ、案の定、ロジックボード上の一部のタンタルコンデンサが破裂していました。
その破裂の影響は凄まじく、キーボードのバックライトシートを溶かしてしまうほどのものでした。
ショートポイントはこの破裂したコンデンサであることは明らか。
破裂したコンデンサを起点としてその周辺の基板回路も変色しており、焼損していました。
これは最も厄介なコンデンサ故障のケースであり、破裂したコンデンサの影響が基板上のどこまで及んでしまっているか。。。
ロジックボードに大きな負荷がかかったに違いありません。
さらにこの状態を調査していきます。


※破裂したコンデンサ


※溶けたキーボードのバックライトシート

基板回路に重度のダメージ

まずは破裂したコンデンサを除去しました。
しかし、ショートは改善せず。
この場合、破裂したコンデンサの影響が基板回路の周辺や、基板内部(レイヤー層)にまで到達していることを意味します。
更にショートポイントの検出を行ったところ、破裂コンデンサ周辺の回路が異常発熱。
ショートポイントの温度は100度を超えており、発煙するほどでした。
少々手荒な方法にはなりますが、ショートポイント除去のため、焼損した基板回路を削っていきながら少しづつ除去。
ある程度除去が済んだところで、ショートが解消されました。

※ロジックボードから発煙する様子


※ショートポイント除去後

断線した基板回路を考察

ショートは解消されましたが、この状態では回路の一部が断線した状態となっており、正常な起動や動作にはまだ回復しません。
テスターチェックや回路図から、この状態を考察していきます。

結果、液晶ディスプレイを発光させるバックライト機能への回路が断線した状態であることを確認。
このままでは、液晶ディスプレイが映らない状態となります。
この解消のため、ワイヤーを使用して断線した回路を修復しました。

ワイヤーで基板回路を修復

抵抗(RP850)への回路をワイヤーで空中配線して結線し、断線を修復しました。
空中配線した抵抗は、ロジックボード上の支障のない場所に配置して固定。
もちろんMac内部の発熱により剥がれないよう、耐熱フィルムで保護しました。

組み上げて電源を入れたところ、無事起動回復!
液晶ディスプレイの画面表示にも異常なく回復させることができました。

ロジックボードの修理はプロにお任せ!

今回のような重度の基板損傷が発生していたとしても、アーストの基板修復技術であれば、データを保持したままロジックボードを修理したり、データを復旧できる可能性があります。
昨今、類似サービスを展開する同業者もさまざまありますが、【 Macのロジックボード修理 】はアーストへお任せください。
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