MacBookPro Retina,13-inch,Mid2014モデルの修理レポートです。
〜 AppleStoreで修理不能と判断された 〜
東京都中央区のお客様からMac修理のご依頼です。
大泉学園ラボへ配送にてお預かりさせていただきました。
1週間くらい前から突然電源が入らなくなってしまい、一度AppleStoreで診てもらったそうですが、メイン基板であるロジックボードの故障と診断され、修理不能であると判断されてしまったとのことでした。なんとかデータを残したまま修理したいとのご希望により、弊社へMacの修理をご依頼いただきました。
電源アダプタのLEDは点灯
初期診断から開始していきます。まずご申告通り、全く電源が入らない症状を確認しました。SMCリセットをしても効果なし。裏蓋をあけたところ、特に液体混入の形跡はなし。DC-Inボードを交換しても状態は変わりません。ロジックボードを取り外し、基板のチェックに入っていきます。
一部のコンデンサの外装欠けを確認
回路図をもとにロジックボードの回路をテスターでチェックしていきます。メインのパワーレールに電圧が発生していないことを確認。目視で基板をよく確認してみたところ、一部のコンデンサの外装が剥離して欠けています。しかし、これだけではまだこのコンデンサが原因であるか、定かではありません。さらに詳しくチェックしていきます。
欠けたコンデンサの異常発熱を確認
ショートポイントを特定する特殊診断を開始。やはり欠けていたコンデンサに異常発熱を確認しました。ショートポイントが特定できたため、お客さまに診断結果と御見積をご報告し、ご承諾いただきましたので、ロジックボードの修理を実施しました。
コンデンサを交換し、ショートポイントを改善
ショートポイントである欠けたコンデンサを取り外し、代わりのコンデンサと交換しました。これによりメインのパワーレールの電圧が正常に回復。すでにこの時点で電源アダプタを繋ぐと冷却ファンが回転し、外部モニタにAppleロゴを確認。問題なさそうです。このまま組み上げていきます。
起動回復、データを残したまま修理完了
組み上げて電源を入れたところ、無事起動回復しました。ログイン画面にてお客さまのログインアカウント名を確認。すべてのハードウェアテストとリアルタイムテストをクリアしたため、これにて修理完了です。
まとめ
今回のショートポイントは目視でもある程度判断ができるレベルではありましたが、弊社ではよりしっかりとした診断方法により、ショートポイントを特定しています。”おそらくここが故障しているだろう”というあいまいな診断は2次的なトラブルを発生させてしまう可能性があります。電源が入らない、Macが起動しないという症状の修理は、ロジックボードの基板修復実績の豊富なアーストへ是非お任せください。
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