MacPro(1st,初代)モデルの修理レポートです
中古で購入したMacProにiMacから内蔵ハードディスクを移したが、電源を入れても?マークが出現して起動出来なくなってしまったということでご依頼頂きました。
本体が到着し、早速初期診断を開始したところ、ご申告どおり画面中央に?マークが出て起動出来ない状態を確認致しました。
本体のシリアルナンバーを確認したところ、MacProの世代としては初代のMacProであることが分かりました。
シルバー筐体のこのMacProのシリアルナンバーは、本体背面(電源ケーブル側)のディスプレイケーブル接続部の下の縁にラベルが貼ってありますので、そのラベルに記載があり確認することが出来ます。
中古で購入したMacProとのことですが、内蔵ハードディスクはiMacから移行したとのこと。
移行した内蔵ハードディスクの不良も考えられますが、MacProには内蔵ハードディスクを計4個搭載出来るため、まずは中の構成を確認していきます。
MacProのサイドパネルを開けてチェックしていきましょう。
内蔵ハードディスクはベイ1とベイ4に、計2個搭載されていました。
ベイ1にはシーゲート製の500GB。
ベイ4にはウエスタンデジタル製の300GB。
いずれの内蔵ハードディスクも古いハードディスクです。
起動時に?マークが出て起動が出来ない場合、考えられるのは主に2点です。
内蔵ハードディスクの故障、又はシステムの不良が考えられます。
早速各ハードディスク内のデータが無事であるかも含め、マウンタを外してから内蔵ハードディスクの動作を検証機にてチェックしていきます。
検証機にてチェックしたところ、ウエスタン・デジタル製の300GBのハードディスクにはデータは入っていませんでした。
購入時の詳細は弊社では分かりませんが、こちらは中古で買った際についていたハードディスクだったのかもしれません。
シーゲート製の500GBをチェックしたところ、こちらにはmacOSのシステムを含むデータが入っていました。
どうやらこちらがiMacから移行したメインの起動ディスクのようです。
デスクトップ上にもスムーズにマウント表示してくれました。
内蔵ハードディスクの動作としてはスムーズであったため、内蔵ハードディスク自体の故障ではありませんでしたが、ハードディスク内のデータを確認したところ、「Mac OS Install Data」「Basesystem.pkg~」などのフォルダが直下に存在していたため、起動出来ない可能性としてシステムインストールの途中にエラーがおきてシステムが破損してしまった可能性があります。
もう少し診ていきましょう。
アプリケーションフォルダ内の様子を確認したところ、起動が出来ない原因が分かりました。
アプリケーションフォルダ内に「マップ(Maps)」「メッセージ(Messages)」「メモ(Notes)」「写真(Photos)」「リマインダー(Reminders)」が存在していたためです。
これらはOS10.9のMavericks以降でないとインストールされないアプリケーションです。
どうやら起動システムは10.9以上であると分かりました。
これは今回の症状に対しては決定的な原因です。
なぜなら、初代のMacProはOS10.7までしか起動システムとして起動出来ない仕様であるためです。
つまり、お客様がご自身で移行したiMacの内蔵ハードディスクの起動システムがOS10.9以降であったため、この初代MacProにそのまま搭載したところ起動出来なくなってしまったということでした。
お客様に上記の原因とOSを10.7以前のOSのインストールが必要である旨をお伝えしたところ、OS10.6 Snow Leopard のインストールディスクをお持ちであったため、そのシステムを新規インストールしてご返却することになりました。
起動時の?マークは消え、無事起動出来るように回復しました。
Mac本体には起動システムとして使用出来るシステムのバージョン範囲がモデル別に設定されています。
特に、
OS10.7 Lion
OS10.11 Elcapitan
大きくはこの2つのシステムで機種別の区切りが存在しているため、特に中古で購入した本体のメンテナンスやOSのアップグレードには注意が必要です。
弊社では中古で購入されたMacの修理や診断ももちろん承っております。
お気軽にご相談下さい。