Power Mac G4 (Mirrored Drive Doors)の修理レポートとなります
大阪府にお住まいのお客様から、『PowerMacG4 Mirrored Drive Doorsを二台所有しているが、それぞれ電源と基板が壊れていたため正常に動作するパーツを片方の一台にまとめて動くようにした。今回は残りのもう一台の方を直したい』というご相談をいただきました。
初期診断開始
ご郵送にて到着後、早速診断開始です。
元々の見立てで電源と基板がおかしいと聞いておりましたが、実際のところはどうなのか?まずは状態を見てみることにしました。その結果まずはうんともすんとも言いません。この PowerMacG4Mirrored Drive Doors(以後MDDと略します)は電源ユニットが故障することが非常に多いため、この時点ではまずは電源が壊れている可能性が高いと判断しました。
よくある電源故障であればこいつを変えてあげることで復活してくれるはずが果たしてどうか??
電源を変えてもダメ
早速電源ユニットの交換を行ったところ、それまでうんともすんともだった本体が、基板上のステータスランプが点灯し通電できるようになりました。しかし通常ならばこのあと『ジャーン』という起動音がして本体が立ち上がってくるところが、『フォーン!!』という激しい音と共に冷却ファンが暴走を開始しました。
CPUの故障かも?
ファンの暴走が起きたため、今回の不具合は電源ユニットだけではなかった事が確認できました。このような症状の場合は次なる可能性としてメモリやCPU、そしてロジックボードの故障を考えます。
まずはメモリの交換を行うも効果なし、そして次はCPUの交換も行いましたが、これも効果なしでした。こうなるとロジックボードが故障している可能性が濃厚になるのですが、念の為お客様本体についていたメモリとCPUを検証用の本体に取り付けてみたところ、問題なく認識し起動もできる事がわかりました。やはりこれらのパーツは正常でした。
不具合箇所は電源ユニットとロジックボードの二箇所でした。
ここまでの検証にて考えうる不具合箇所を一つ一つ丁寧に交換検証進めてきた結果、最終的に残ったのがロジックボードでした。
こちらの交換を行った結果、『ジャーン』という聞き慣れた音と共に本体が起動してきました。
元々のご申告にはありましたが、改めて今回の不具合箇所は電源ユニットとロジックボードあった事が判明。
お客様に検証結果とお見積もりをお伝えし交換の許可をいただきました。
ちなみに検証の結果、3台搭載されていた内蔵HDDのうち一つが物理障害を起こしており起動できなくなっていること、それから基板上の内蔵電池が2002年製で枯渇してしまっている事がわかりました。
本件追加でご報告した結果、今回は内蔵電池のみ追加で交換する事となりました。
まとめ
交換作業後は数時間におよび耐久テストに加え、本体のUSBポートなど拡張ポートの動作確認などを入念に行い完了のご連絡となります。
そもそもPowerMacG4シリーズともなるとおよそ20年以上前のモデルとなります。そのためHDDやメモリなどの汎用パーツを除いて新品の交換パーツの入手はもはや不可能、基本的には中古市場からの手配となりますが、最近このPowerMacシリーズのパーツもかなり少なくなり希少な部類になってきました。そのせいでパーツ代が高騰してきておりなかなか厳しい状況ではありますが、弊社としては可能な限りサポートを行なっていく所存ですので、これらのレガシーMacをお持ちの方でトラブルがありましたら弊社までご相談ください。
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