MacBook Pro (14-inch,2021)モデルの修理レポートです。
東京都港区のお客様からMac修理をご依頼いただき、新宿ラボへお持ち込みいただきました。
症状としては、まずはバッテリーの充電ができなくなってしまったトラブルが発生。
バッテリーの充電ができないため、そのままバッテリー駆動が続きバッテリーが完全消耗してしまい、その後は全く通電せず、電源が入らなくなってしまったとのことでした。
アップルストアに持ち込み、別の電源アダプタとケーブルでテストしたが電源入らず。
ロジックボードの問題があるとの診断結果だったそうです。
データのバックアップを取っておらず、データを保持したまま修理して欲しいというご希望により弊社へ修理をご依頼いただきました。
magsafe3電源アダプタのLEDランプが光らず
初期診断の開始です。
ご申告通り、全く電源が入らない状態を確認。
magsafe3ポートに電源アダプタを接続しましたが、LEDランプが全く点灯しません。
通常、オレンジ、又は緑に点灯しますが、消灯したままの状態でした。
USB-Cからの電圧もチェック。
チェッカー表示が点いたり消えたりを繰り返し、正常に電圧や電流の測定ができない状態でした。
通電が安定していません。
Macを分解してロジックボードの状態を確認していきます。
ロジックボード上のコンデンサ破裂を確認
裏蓋を開けて、ロジックボードを分解して取り出していきます。
取り出したロジックボードを確認したところ、バッテリーへの充電回路にショートが発生していることを確認。
基板をよく観察したところ、一部のコンデンサに顕著な破裂が発生していました。
回路図からちょうどショートしている回路のコンデンサであることを確認。
ショートポイントを検出しました。
お客様に診断結果をご報告し、ロジックボードの修理にて了承をいただけましたので、基板修復を実施しました。
故障コンデンサを交換
破裂して故障していたコンデンサを新しいコンデンサへ交換しました。
これでショートしていた回路は回復しました。
しかし、通電回復せず。
まだ犯人が潜んでいました。
さらにロジックボードを検査していきます。
破裂していた故障コンデンサ
他社の修理跡を確認
基板の一部に不自然な跡を発見。
はんだ付けで使用するフラックスの跡でした。
回路図などから基板の状態を比較したところ、明らかに一部のコンポーネントが足りず、外れている状態でした。
お客様に確認をしたところ、アップルストアのあと弊社へ依頼する前に別業者へ依頼していたとのこと。
そこでは修復できず、セカンドオピニオンとして弊社へご依頼いただいた経緯がありました。
自然とこのような状態になることはあり得ず、他社が修理途中で放置した痕跡でした。
このため、さらに足りなかったコンデンサ2つと抵抗1つをはんだ付けして取り付けました。
はんだ付けして正常な状態へ基板修復
データを保持したまま通電回復
基板修復が済んだため、組み上げたところ、無事起動回復しました。
magsafe3ポートに電源アダプタを接続した際のLEDランプも点灯を確認。
バッテリーの充電も問題なく回復しました。
お客様名義のログインユーザ名を確認。
その他、専用診断ツールによるハードウェアテストもすべてクリア。
今回もデータを保持したまま無事ロジックボード修理の完了です。
まとめ
magsafe3ポートに電源アダプタを挿してもLEDランプが光らない場合、これはロジックボードがショートしている可能性が高いです。
弊社では、ショートしているMacのロジックボードを基板修復技術によりデータを保持したまま修理が可能です。
この度のように他社の痕跡によって修理箇所が増えてしまったり、修理が困難になってしまう場合がございます。
Macのロジックボード修理は、確かな実績と経験のあるアーストへまず一番にお任せください。
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