MacBookAir(13-inch,2017)モデルの修理レポートです
今回のご相談は、起動ボタンを押すと画像乱れが表示されその後フリーズしてしまうというものでした。
時間を置くと起動する事もあるが使用しているとフリーズしてしまうそうで、お客様ご自身でOSの入れ直しを行なったが改善しなかったという事で弊社にご依頼いただきました。
初期診断から始めます
早速診断を始めたところ電源は入り起動音もするのですが、ページ冒頭のような映像乱れが発生しました。
PRAMクリアをかけたところログイン画面には到達しましたが、程なくして画面乱れが再発。そのうち電源自体が入らなくなりました。そのため本体を分解して内部の状態を確認してみる事にしました。
するとロジックボード基盤の裏側(キーボード側)に液体痕を発見(写真赤丸部分)
ハッキリとサビが出ているのがわかりますよね?
この時点で修理の方向性が決まりましたので、早速お客様に問題部分の画像をお送りすると共にどのような修理が必要になるのかを丁寧に説明、そしてお見積もりをご検討いただきます。
修復作業開始
修理続行の許可をいただいたのち今度は修復作業にはいるわけですが、通常の液体混入の場合は腐食が起きている基盤部分を洗浄する事で改善に至ることが比較的多いと言えます。しかし今回はそれだけではダメでした。
どうやら赤丸で囲んだ目視できる箇所以外に、その付近にあるはんだも腐食してショートしてしまっていたんですね。
今回はこれらを全て修復する事でようやく通電、起動出来るようになりました。
(こちらが修復作業後の画像です。綺麗に腐食が取り除かれているのがわかりますよね?)
無事に起動できるようになる事が最初のポイントではありますが、それでも使っているうちにすぐに不具合が再発してしまうようでは意味がありません。昔CMで見たんですが新しい車を開発する時には猛暑の砂漠や極寒の雪山など極端に過酷な条件で耐久テストを行うという話がありました。パソコンの場合さすがにアウトドアの雪山で使う事はないでしょうが、それでも例えば日本などは四季もあり夏は35度を超えますし冬はお住まいによっては氷点下なんて事もあるでしょうしね。
そこに加え比較的湿度も高かったりしますから、日本は案外パソコン(Mac)にとっては住みやすいとは決して言えないのかもしれません。
上記は極端な例ですが、ともかくユーザーごとに使用環境や使用頻度は様々ですから、弊社では修理後の検証はその辺も想定してある程度厳し目にテストするようにしています
まとめ
というわけでこの写真の通り無事に起動回復させる事ができました。今回は同じような液体混入でも回復までの流れは割とレアケースだったのではないかと思います。
過去にも何度か触れていますが、液体の影響って目に見えない所も結構ありますので、修理後一通りのテストにクリアしお客様に完了連絡をしようと思ったら・・・内蔵のカメラが映らないとか、キーボードの一箇所だけが効かなくなっていたとか、キーボードバックライトが点かないとか、音が出ないとか、ファンが回らないとか・・・まぁ挙げたらキリがないですがその他のトラブルが発覚したりするんですよね。そう言った意味でも起動回復後の動作検証は非常に重要な工程の一つとなります。これら全てをクリアしはじめてお客様へ完了のご連絡が出来るんですね。
液体混入の場合は目の前で溢すなど原因が明らかな場合もありますが、知らないうちになっていたというケースもあります。また症状も電源が入らないというようなものから、今回のように画像乱れが起きるというものまで様々です。
もしお持ちのMacの調子が悪くなったらぜひ弊社にお任せください!