G4・G5・Vintage Mac修理レポート

【ディスプレイが全く映らない】iBookのロジックボードを修理!!

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iBook (900MHz)モデルの修理レポートです

今回ご紹介するのは東京都大田区のお客様からMac修理のご依頼です。

iBook (900MHz) という事でG3シリーズの最後の世代となります。
症状は起動させると音はするが画面が来ないという症状になります。

iBookG3シリーズはグラフィックチップの不良が多かった

早速初期診断開始です。iBookG3ともなりますとすでに20年ほど前の機種となりますので、色々な箇所が経年により劣化を起こしても不思議ではありません。そんな中このシリーズはロジックボード上のグラフィックチップ部分が壊れてしまう故障が非常に多く、弊社でもこれまで数多くの修理を行ってまいりました。しかし時代の流れと共にだんだんと使用されている方も減り、最近はあまり修理のご相談がなくなってきていました。

液晶だけでなく外部出力できない

液晶が映らなくても外部出力から外付けのディスプレイに接続することで画面が映るケースもあります。
この場合は液晶パネル自体の故障の可能性も出てくるのですが、今回は外部出力もされずということで前述のグラフィックチップ不良の可能性が高くなりました。
ちなみにターゲットモードで別のMacの接続したところ、内蔵のHDDはちゃんと認識されましたのでデータは無事であることがわかりました。

ロジックボード交換

さらなる検証の結果、今回の不具合原因はやはりグラフィックチップ故障であることが特定されました。
この場合は同チップ部分を直接修理する方法とロジックボードごとの交換をする方法の二種類が考えられるのですが、今回は修理に必要なパーツが国内では入手困難なこと、海外からの手配になるため時間がかかること、また本体が古いモデルになるためパーツ価格もそこまで高くなくロジックボードごとの交換と費用にあまり差がない事がわかりました。そのため今回は時間を優先し後者のロジックボード交換をご提案する事となりました。

早速交換作業開始です。
歴代のラップトップ型Macの中でもこのiBookのシリーズは分解が割と面倒な部類に入るのでは無いかと思います。
パーツもネジも多い上に、20年前の本体ということで筐体のポリカーボネートの樹脂が劣化していて分解中に割れてしまう事も多々あります。そう言った意味でも気が抜けない修理となります。

このような感じで少しずつパーツを取り外し、目的のロジックボード交換を行います。また同時に交換用ロジックボードの手配も並行して行うことで少しでも早くご返却できるようにします。


こうやってネジやパーツ、全てを並べてみるとこの機種の分解の大変さがわかるかもしれません。

 

パーツ到着そして交換

並行して手配していた交換用のロジックボードが到着したので、早速交換します。


こちらの画像は取り出したロジックボードと交換用のロジックボードです。


ロジックボードを取り付け

組み上げていきます。これもまた分解と同じように長い道のりです。慎重に丁寧に。。。。

 

交換後の動作検証が重要です

交換後はまず最初に無事に起動できる事を確認します。
この世代はOSXとOS9が混在しているモデル(OS9単独起動可能モデル)のため、両方のOSでの起動を確認します。
その結果Ethernet正常。データも無事でした。Apple HardwareTestも異常なし。
USB、FireWireをはじめとした各種ポートも認識問題なしでしたので、この状態で一定時間負荷がけ等を行い問題ないことが確認できたら、改めてお客様への完了連絡となります。

iBookのシリーズはビンテージMacに当たるため、ご用意する交換用パーツはリサイクルパーツとなります。それでもできる限りコンディションの良いパーツを手配することで、出来るだけ長い間愛着のあるMacを使い続けられるように我々としてもできる限りお手伝いいたしますので、メーカーサポートが切れてしまったビンテージMacが壊れて困ってしまっている方はアーストへ是非ご相談ください。

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