MacBookPro(16-inch,2019)モデルの修理レポートです
今回は、MacBook Pro (16-inch, 2019) モデルに起きた液体混入とそこからの復旧についてご紹介したいと思います。
まずはお客様から液体混入に至った状況について詳しくヒアリング。
昨今のコロナ騒ぎを受け、会社の方針で自宅でのテレワークを行うことになり三月末に最新のMacBookProを購入したとの事。そこから一ヶ月ほど快適に使えていたが、つい先日Web会議の真っ最中に本体キーボードの上にコップに入った水をかけてしまったそうです(涙)
まだ買って一ヶ月も経っていない状態でこれはキツイですね。いくら購入直後とは言え液体混入についてはメーカーは保証してくれません。無情の修理見積もり181,500円を提示されたそうです。(※)購入費用と合わせたら40万超えです(号泣)
(※)ちなみにAppleCareに加入して入れば3万円台で直してくれるという話でした(要確認)
ご来社いただいた際「自分の不注意だから直らなくても仕方ないけど、さすがにあの値段は出せません・・」と半ば諦め気味におっしゃっていたので『何とかして弊社で復旧できるよう精一杯努力いたします!』とお伝えしお預かりしました。
初期診断開始
外装を見る限りは特に異常なし。零したのが水という事だったのでジュースなどによくあるベタつきもありませんでした。もしこれが糖分の入った液体だったら電源が入るようになっても、キーボードやトラックパッドも交換しないとベタベタして使えないというような事態になる可能性もあった訳で、その点は不幸中の幸いだったのかもしれません。
外装に異常が見られなくても電源は入らず、リセットも時間を置いてもどちらも効果なし、という事でこれはもう分解して中の状態を確認するしかありません。そのため早速ボトムカバーを取り外してみましたがロジックボードには異常が見られません。あれ?案外軽傷??
いえ、ちょっと待ってください。これは冷静に考えればわかります。液体がかかったのはキーボードの上、裏蓋を開けた状態で見えるロジックボードは反対側なんですよね。
慎重にネジ類を外し、ロジックボードを本体から完全に取り外し裏側を見てみたら・・・・
ありました。基板上にしっかりと液体痕が。
写真をご覧いただければわかるのではないでしょうか?青緑色に変色している部分がそれです。
この部分をしっかりと洗浄作業にて取り除きます。
液体混入からの復旧
長時間におよぶ慎重かつ丁寧な作業を行った結果、見事に起動出来るようになりました。
実は最初に組み上げた時は起動できずで気落ちしたんですが諦めずにもう一度分解し作業を行ったところ起動できるようになったのです。分解するのも大変、組み上げるのにも時間と手間がかかるのでこれは本当に根気のいる作業となります。
なので画面がうっすら明るくなり、そこにリンゴマークが表示された時の嬉しさはマジで半端ないです。
お電話で復旧した事をお伝えしたんですが、電話口でもお預かり時に曇っていたお客様の顔がパッと明るくなったのが声だけでわかりました。いやぁホント良かったです。頑張った甲斐がありました!!
液体はこぼさないに限ります。
しかし、どんなに注意してもアクシデントは起きるものです。
万が一、Macに液体が混入してしまったらアーストにご相談ください。