MacBook Pro (13-inch, 2020, 4 TBT3)スペースグレーモデルの修理レポートです。
東京都杉並区のお客様からMac修理をご依頼いただき、新宿ラボへお持ち込みいただきました。
症状は、本体裏側に物を落としてしまい凹みが発生。その後しばらくは特に問題なく使用していたものの、ある時電源ボタンを押しても電源が入らなくなってしまったとのことでした。
本体裏側に物を落としたことが影響しているのでしょうか。
早速初期診断をしていきます。
本体裏側に物を落としてしまったとのことでしたので裏側を確認したところ、確かに裏蓋外装に顕著な凹みがありました。
裏蓋は強い衝撃に耐えられるほどの厚みがあるわけではありませんので、衝撃の強さによってはメイン基板であるロジックボードにまで影響が及んでいる可能性があります。
分解してロジックボードの状態を確認していきます。
分解してロジックボードを検査
裏蓋を開けましたが、幸い凹み箇所の下のロジックボード上には何ら影響はありませんでした。
するとこの場合、今回の電源が入らない症状は外部からの影響ではなく、経年劣化により自然と発生した故障ということになります。
ロジックボードを完全に取り出してテスターで検査を開始。
すると一部の回路にショートが発生していることを確認。
さらに検査を進めたところ、今回は5Vと3.3Vを発生させるパワーICチップの故障を確認しました。
基板修復によりロジックボードを修理していきます。
故障ICチップの交換を実施
ショートの原因となっていた故障ICチップを交換しました。
故障ICチップは外見的な損傷は全くなく、眠るように故障してしまったようです。
通電回復、修理完了
ICチップの交換修理をして組み上げたところ、無事通電回復しました。
お客様名義のログインユーザ名を確認。
専用の診断ツールにてすべてのハードウェアテストをクリア。
データを保持したまま、今回も無事修理完了となりました。
まとめ
ICチップの故障はコンデンサなどのコンポーネントとは違い、故障していても目視での判断はほぼ不可能なケースが多いです。
特に今回のように外見的な変化はなく、眠るように故障しているケースが多く、この故障ポイントの検出やICチップの交換には経験と技術力が必要となります。
Macの電源が入らなくなってしまった場合など、ロジックボードの故障が疑われる場合には、Macのロジックボード修理実績が豊富なアーストへぜひお気軽にご相談ください。
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