G4・G5・Vintage Mac修理レポート

電源を換えればまだまだ現役!PowerMacG4の電源ユニット交換

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PowerMacG4(QuickSilver)の電源ユニット交換を行いました

長野県松本市のお客様からMac修理のご依頼です。今回お送りいただいたのは、PowerMacG4 QuickSIlverです。
このモデルは比較的安定性が高く、故障も少ないのですが、いかんせん20年以上の前のモデルのためさすがに経年による劣化は色々な部分で起きてきます。
そんな中、今回は電源ユニットの修理レポートをお届けします。

リセットは効果なし

電源ユニットの修理で困るのが、完全に電源が入らなくなってしまっているのではなく、「電源が入らなくなった事が一度あった」とか「以前起動中に電源が落ちたことがある」といった発症頻度が不定期である場合です。こういう場合は弊社での検証でも普通に起動してしまう上に、いつまで経っても電源に異常は見られなかったりして、しかたなくそのまま診断のみでお戻ししたり、やむを得ず検証が長期にわたってしまう事などがあります。
しかし、今回の場合は全く電源が入らないという症状だった為、比較的検証しやすい部類と言えると思います。

ちなみにPowerMacG4のシリーズは最終モデルであるMDD(Mirror Drive Doores)の電源ユニットが壊れやすいことで有名ですが、これに対して今回お預かりのQuickSilverは電源ユニットの修理件数も少ないように感じます。
また仮に電源が入らなくなっても、基板上のリセットボタンを押すことで直ってしまうケースが多いのも特徴です。

そのため、今回もまずはリセットボタンを押してみましたが残念ながら電源入らず。内蔵電池の交換で直るケースは少ないですが念の為これも試すがやはり効果なし。

こうなれば次は電源ユニットの交換を試す流れとなります。

電源ユニット不良で確定

続いては電源ユニットの交換を行ったところ、『ジャーン』という聞き慣れた起動音と共にMacの電源が入りました。今回の起動不良の原因は電源ユニットの故障で確定です。

 

PowerMacG4シリーズの電源

ここでちょっと話が横にそれますが、PowerMacG4は歴代のMacの中でも短期間で1番頻繁にモデルチェンジした機種なのではないかと思います。

1999年に登場したPower Mac G4 (PCI Graphics)、Power Mac G4 (AGP Graphics)
2000年に登場したPower Mac G4 (Gigabit Ethernet)
2001年に登場したPower Mac G4 (Digital Audio)、Power Mac G4 (QuickSilver)
2002年に登場したPower Mac G4 (QuickSilver 2002)
2003年に登場したPower Mac G4 (Mirrored Drive Doors)

とまぁ都合5年の間に7種類ものモデルが発表されてます。その間にiMacやiBook、そしてG4 Cubeまで出てますから、その勢いたるやすごいですよね。

で、今回修理した電源ユニットなのですが、同じPowerMacG4でも微妙に仕様が違っておりまして、そのおかげでパーツの手配にも苦労する訳です。

写真左側の『P1とP4』という文字が記されている方が今回のQuickSilverの電源で、その右側に並んで写っている『P1』という刻印がされている方がPCI Graphicsという1番初期に出たモデルの電源です。初期といっても発売時期は二年しか違いませんが。

上記2機種の間に発売されたGigabit Ethernet、Digital Audioの電源は見た目はPCI Graphicsに似てるのですが、コネクタのピンの数が20pinと22pinで違ったりで、『いざ取り付けようと思ったら数が合わずに取り付けられなかった』なんて事があったり、仕入れの時点で売る方もこの違いがよくわかっておらず、間違った表記で売られているなんてこともあるんですよね。余談ですが。

まとめ

今回は無事に交換用電源も仕入れる事ができ、お客様にも喜んでいただけました。
冒頭でお伝えした通り、この機種は20年以上前のモデルとなりますので交換するパーツも中古の動作品という事になりますが、交換可能な限りは修理を続けてまいりますのでビンテージMacをお使いの方でお困りの方は是非アーストまでご相談ください。

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