USB-Cポートが反応しない
東京都小金井市のお客様より、MacBook Pro (13-inch, M1, 2020) A2338モデルの修理をご依頼いただきました。
お酒をこぼしてしまったあと、しばらくしてからバッテリーの充電が出来なくなり、USBデバイスを接続しても一切認識出来なくなってしまったという症状で新宿ラボへお持ち込みいただきました。
まずはご申告の症状を診断していきます。
このMacBookPro A2338 モデルには、USB-Cポートが2ポート搭載されています。
USB-Cポートの反応を診断するため、USB-Cチェッカーを接続しましたが、一切チェッカーが表示されず反応しません。
USB-Cポートが故障している可能性が高いため、Macの内部を調査していきます。
USB-Cポートの液体損傷
ボトムケースを開け、MacBookProの内部を確認したところ、液体混入の痕跡を確認。
ロジックボード基板にも液体により発生した腐食がありました。
分解してUSB-Cポートを確認したところ、USB-Cポートの液体損傷を確認。
USB-Cポートの故障は確定ですが。。。
液体損傷していたのはUSB-Cポートだけではありませんでした。
基板側USB-Cコネクタも損傷
故障していたUSB-Cポートのコネクタがオスだとすると、ロジックボードのポートが接続されている基板側のUSB-Cコネクタはメスとなります。
この両者のコネクタが接続されることで、USB-Cポートが正常に機能する構造となっています。
今回は、このメス側である基板側のUSB-Cコネクタも液体混入により損傷していました。
基板側のUSB-Cコネクタは容易に交換できるものではなく、基板にハンダ実装されています。
基板修復技術によって基板側USB-Cコネクタを交換し、ロジックボードも修理する必要があります。
お客様に診断結果と修理見積をご承諾いただきましたので、ロジックボードを修理しました。
※今回の MacBookPro M1 2020 A2338 の ロジックボードの番号は、820-02020-11 でした。
基板側USB-Cコネクタを交換
ロジックボードの修理開始です。
実は基板上のコネクタ交換は少しレベルの高い修理となります。
故障コンデンサの検出や交換よりも難度の高い修理です。
コネクタの素材は金属とプラスチックの集合体であり、取り付け時の工具や温度設定が適切でないと上手くいきません。
強すぎる風量や温度では、プラスチック部が溶けてしまいます。
熱の当て方や使用するはんだの種類なども重要です。
ロジックボードの修理経験とこれまでの実績が伴うことにより成功する修理と言えます。
USB-Cポートの反応回復!
基板側USB-Cコネクタを交換し、USB-Cポート自体も交換しました。
組み上げてUSB-Cポートの動作検証を行ったところ、無事USB-Cポートの反応が2ポート共に回復しました!!
バッテリーの充電や接続したUSBデバイスの認識も回復しました。
ロジックボードの修理はアーストで
Macのロジックボード修理に対応した修理業者は限られています。
『mac ロジックボード 修理』という検索ワードでトップヒットする業者の中でも、液体こぼし案件では洗浄対応やコンデンサの交換対応のみといった技術力に乏しい業者も存在しています。
アーストの【 Macロジックボード修理/基板修復 】なら、ICチップや基板コネクタの交換修理にも対応しています。
Macのロジックボードの故障でお困りの際は、まずはアーストへお気軽にお問い合わせください。
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