MacBookPro 13-inch,2019,2 TBT3の修理レポートです。
〜 りんごマークから起動しない 〜
長野県東御市のお客様からMac修理のご依頼です。
大泉学園ラボへ配送にてお預かりさせていただきました。
今回はフリーマーケットで中古品として購入したMacでした。購入後、電源を入れたところ、りんごマークは表示されるが、すぐに画面が真っ暗になって起動できないという症状でした。SMCリセットやPRAMクリアも効果なし。ネットワークリカバリを実行すると、地球儀マークが表示されwifiパスワード入力が要求されるが、パスワードを入力してもダウンロード完了後に強制的に再起動され、この動作を永遠に繰り返すとのことでした。
お客様でお試しいただける方法はすべて試したが改善しないことから、弊社へMacの修理をご依頼いただきました。
電源は入るが。。。基板上に液体痕を発見
初期診断によって、お客様のご申告の症状を確認。Apple Diagnosticsによる自己診断では異常なし。自己診断では診断しきれないところに異常が潜んでいる模様。分解をしてメイン基板であるロジックボードの状態を確認したところ、微量の液体痕を発見。飲み物などの液体をこぼして混入したというよりは、何か結露して発生したような液体痕でした。どうやらこの液体痕のあるポイントを基点としてショートが発生している様子。お客様に診断結果と原因、御見積をご連絡し、ご承諾いただきましたので、ロジックボードの修理を実施しました。
基板洗浄、はんだとワイヤーによりショート箇所を修復
はんだ作業によるロジックボードの修理です。液体痕の範囲は微量でしたが、意外に腐食が強く、はんだが乗るランドが剥がれてしまいました。こうなると通常の回路を保てないため、途切れてしまった回路をワイヤーで再接続する作業をします。新たな電流のレールを敷いてあげるといった作業になります。この作業により、ネットワークリカバリによる起動に成功。ロジックボード上の問題点は改善されました。
しかし。。。
はんだとワイヤーによるロジックボード修理の結果、ネットワークリカバリの動作に変化が現れました。強制再起動することなく、そのままリカバリモードで起動に成功。しかし、この起動後に判明したのが、前持ち主のApple IDによるアクティベーションロックでした。macOSのiCloud設定にある、”このMacを探す”がオンになっていた場合、これを解除しない限り、持ち主以外は使用できない状態にできるセキュリティです。中古Mac専門店にMacを売却する際などは、この機能をオフにする必要がありますが、フリーマーケットでの購入ということもあり、前持ち主の方もこれを知らずに売却してしまったようです。お客様にこの状態をご説明したところ、幸い前持ち主の方と連絡が可能とのことでしたので、前持ち主の方にアクティベーションロックを解除してもらうことになりました。アクティベーションロックの解除方法はAppleの下記ページにも詳細がございます。
アクティベーションロックを解除、正常動作を確認
無事に前持ち主の方にアクティベーションロックを解除していただき、macOSの正常起動を確認しました。その他、ハードウェアテストをすべてクリアしたため、これにて修理完了です。
まとめ
フリーマーケットやネットオークションなどで購入したMacには、このようにアクティベーションロックがかかったまま販売されている可能性があります。この場合は購入しても次の所有者が使用できないというトラブルになってしまいます。中古でMacを購入するなら、中古Mac専門店での購入をおすすめいたしますが、まずは故障してしまったMacを修理するという選択肢も一度ご検討いただけますと幸いです。
Macの修理は豊富な経験と実績のあるアーストへ是非お任せください。
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