MacBook Retina,12-inch,Early2016 モデルの修理レポートです。
〜 フォルダに?マークが表示されて起動しない 〜
新潟県胎内市のお客様からMac修理のご依頼です。
大泉学園ラボへ配送にてお預かりさせていただきました。
電源を入れてもフォルダに?マークが画面に表示されて起動できなくなってしまったとのことでした。
お客さまご自身でmacOSの再インストールを試してみたそうですが、そもそもインストール先ディスクが出てこない状態となっており、SSD(フラッシュストレージ)が認識されていない状態とのことでした。
この機種のSSDは取り外しが不可能なはんだ実装型
初期診断の開始です。ご申告通り、電源を入れるとフォルダに?マークが表示されて起動できませんでした。別の検証用システムで起動するもSSDがマウントせず、SSDを全く認識していません。
分解をして内部を確認。メイン基板であるロジックボードを確認しましたが、特に液体が混入したような形跡はありません。実はこの機種、SSDが認識できなくなる故障が多い機種なんです。又、SSDは基板にはんだ実装されているため、簡単に取り外しもできません。この場合、ロジックボードを修復する必要があります。経年劣化、自然故障によるロジックボードの故障です。さらに基板の診断を進めていきます。
関連するICチップ周辺の電圧なし
さらに犯人を特定するため基板を診断していきます。回路図をもとに調べていったところ、SSDの認識に関連するICチップ周辺の電圧が発生していないことを確認。犯人の特定ができました。お客さまに診断結果と御見積をご連絡してご了承いただけましたので、基板修復によるロジックボードの修理を実施しました。
ICチップの交換を実施
問題のICチップを交換していきます。チップサイズは極小。正常な交換ICチップを実装するため、はんだボールを作成していきます。適切な工具と技術が必要な精密作業です。作成後は問題のICチップを取り外して交換。本体を仮組みして起動させたところ、Appleロゴとプログレスバーを確認。データを読み込んでいますので、SSDの認識が回復したようです。完全に組み上げて最終的な動作検証を行います。
SSDの認識が回復、無事修理完了
組み上げて電源を入れたところ、無事SSDの認識が回復しました。回復後はmacOSのインストールの途中から再開されました。トラブル前にお客さまご自身でおこなった作業が再開された模様。インストール後は無事Macが起動回復しました。その他のハードウェアテストも全てクリア。問題なくSSDが認識されていることを確認したため、これにて今回のMacBook Retina,12-inch,Early2016 モデルの修理は完了です。
まとめ
MacBook Retina 12inchモデルは冷却ファンが付いておらず、内部熱による経年劣化でSSDの認識不良が多い機種です。急に電源を入れてもフォルダに?マークが表示されて起動できない場合にはSSDの認識不良の疑いがございます。同様の症状が発生した場合にはロジックボードの基板修復実績の豊富なアーストへ是非お任せください。
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