MacBookPro Mac修理レポート

【バッテリーの減りが早い!】MacBookPro 2017 A1708 のロジックボードを修理

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バッテリーの消耗が早い

宮崎県宮崎市のお客様より、MacBookPro (13-inch, 2017, Thunderbolt 3ポートx 2) A1708モデルの修理をご依頼いただきました。

ある時から、バッテリー駆動時のバッテリー消耗が極端に早くなってしまったとのことでした。
2017年モデルですので、すでに7年が経過したMacBookProです。
経年劣化からのバッテリー枯渇の疑いがありますが、今回はそんな単純なものではありませんでした。

システム終了中もバッテリーが減っていく

診断の開始です。
Mac自体は正常に電源が入ります。
一見問題なさそうですが。。。なんと、システム終了をして電源が入っていない状態で放置していても、次回起動時にはバッテリーが消耗しています。

診断開始1日目、16時にバッテリーを100%充電して、システム終了。
翌日2日目、10時に起動した時には20%台にまでバッテリーが消耗していました。

自然放電により、電源が入っていない状態でも徐々にバッテリーは消耗しますが、自然放電とは比にならない消耗速度。
ご申告通り、正常とは到底思えないバッテリーの消耗具合でした。

バッテリードレインとは

パソコンやスマートフォンなど、デジタル端末に搭載されたバッテリーが使用中に急激に消耗していく現象を、バッテリードレイン、又はバッテリードレイン現象と言います。

Macも同様にバッテリードレインが発生する場合があり、バッテリー駆動時にバッテリーがみるみると減っていく現象が発生する場合があります。
その多くの原因は、バッテリーの経年劣化はもちろん、macOSシステムによるもの(macOSのアップデートやアップグレードで改善する場合あり)、又はバッテリー駆動中のクラウド同期などのバックグラウンドプロセスが原因となっている場合などがあります。

症状はまさにこの通り、みるみるとバッテリーが消耗していくのですが、今回特に性質が異なるのはシステム終了中、電源が入っていない状態でもバッテリードレインが発生するということ
バッテリードレインの中でも特に異常な現象でした。

診断プログラムで異常は検出されず

まずはバッテリー枯渇の疑いがあるため、診断プログラムでハードウェア全体を診断。

しかし、バッテリーを含むすべてのハードウェアテストをクリアしてしまいました。
バッテリーに異常はありません。
バッテリードレイン現象の原因は別にあるということです。
この場合、macOSシステムを含め、実際に疑わしいパーツなどを交換して、時間をかけたリアルタイムテストが必要です。

別のmacOSで起動しても症状変わらず

macOSのバージョンによる可能性を考え、元々のmacOS13 VenturaがインストールされたSSDを取り外し、macOS12 Montereyがクリーンインストールされた診断用のSSDを取り付けて診断を継続しました。

しかし、バッテリードレインは治らず。
システム終了中もみるみるバッテリーを消耗していきます。
この診断中、macOSのアラートにて、以下のメッセージが表示されました。

「USBアクセサリが無効です。USBデバイスを再度有効にするには電力消費が多いアクセサリを外してください。」

USB-Cポートには、電源ケーブルしか接続していませんが、このようなアラートが突如出現。
これは、ロジックボードに問題がありそうです。

ロジックボードの異常を確認

分解してロジックボードを確認したところ、目視でも分かる一部ICチップの焼損を確認。
ICチップにスポットで穴が空いているように見えます。
このICチップは、USB-Cポートに関連するICチップです。
テスターでチェックをしたところ、このICチップ周辺の回路に異常値も検出。
正常に見えて、このICチップが壊れかけた状態だったようです。

ロジックボードを修理して問題解決

発見した問題のUSB-CコントローラICチップを交換したところ、その後はシステム終了中でもバッテリーがみるみる減る現象は発生せず、バッテリードレインが改善しました!!
バッテリー残量100%からシステム終了し、24時間経過したあとの起動もバッテリー残量100%を維持。
正常なバッテリー動作に回復しました。

ロジックボード故障の症状はさまざま

バッテリードレインの原因が、バッテリー自体の枯渇であるとは限りません。
今回のように、Macのメイン基板であるロジックボードが故障しており、バッテリードレインが発生する場合もあります。

Macのロジックボード故障が原因となる症状はさまざまです。
電源が入らない症状を筆頭に、下記のようなさまざまな症状が発生します。

・バッテリーの充電ができない
・バッテリーの消耗が激しい
SSDを認識しない
冷却ファンが暴走する
液晶画面が映らない
スリープ復帰後、キーボードやトラックパッドが操作できなくなる

アーストでは、Macのロジックボード故障によるさまざま症状を改善してきた実績と修理技術があります。
Macのバッテリーの消耗が激しい、バッテリーの充電ができない場合にも、【 Macのロジックボード修理 】に確かな経験と修理実績のあるアーストへぜひお任せください。

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