再起動を繰り返してしまうというMac miniの修理レポートです
今回ご紹介するのは東京都世田谷区のお客様からのご依頼です。
『使用中、離席している間にいつの間にか再起動がかかっていたがリンゴマークの途中から進まなくなっていたので、仕方ないので強制終了かけた。するとそこからは起動時に再起動繰り返される状態になってしまった』というもの。
初期診断
今回のような症状ですが、OSのアップデート後に起きるようになったというのであればシステム不良を疑うところですが、特にそのようなこともなく短時間離席している間に起きたという事になりますと原因の特定が難しくなります。お客様曰くご自身でOSの復旧を試そうとしたが途中で失敗したという話でしたが、すでにHDDは初期化済みという事なので、改めて弊社環境でも状態を見てみる事にしました。
最初に内蔵のシステムでそのまま起動させるとネットワークリカバリの画面が表示されました。おそらく初期化を行なったままシステムが入っていない状態のためだと思いますが、接続するネットワークを選ぶ前に再起動がかかってしまいました。その後はこの繰り返し。
続いては外付HDDに入ったシステムを使っての起動を試しましたが、リンゴマークの進捗バーが途中まで進んだところで再起動ループ発生。やはりダメです。
ネットワーク経由のリカバリがうまく行かなかったため、USBメモリに作ってあったインストーラを使ってシステムのリカバリを試みましたが、前述のネットワークリカバリの画面を経由してそのまま画面はブラックアウト、そしてリンゴマークからの再起動ループになってしまって埒が開かず。
このモデルはストレージ部分がロジックボードに組み込まれてしまっているため、ストレージ不良=ロジックボードの故障という事になるのですが、症状的にはロジックボード上のファームウエアの修復で直るケースもある為そちらを実施してみました。しかしエラーメッセージが出てうまくいかず。こうなるとロジックボード基板のショートなど物理障害が起きている可能性も出てきます。
メモリ不良に起因したロジックボード論理障害
検証作業の途中に、Macminiのステータスランプが激しく点滅するようになりました。これは検証開始時には見られなかったのですが、逆にこれは原因究明のヒントになります。
点滅のパターンは若干違う気がしますが、この症状はメモリ不良によって起きている可能性があることから試しにメモリを診断用のものと交換してみたところ、起動できないという症状は変わらないものの、先程はできなかったファームウエアの修復が出来るようになりました。
おそらくメモリ不良から起動不良が多発、その後ロジックボード上のチップに論理障害が発生した流れなのではないかと。
起動回復
同修復作業のおかげで起動時の再起動ループも治ったため改めてシステムのインストールを行い、無事に正常起動できるようになったので、改めてメモリをお客様のものと交換したところ、最初の起動でカーネルパニック発生。どうやら2枚ついていたメモリのうちの1枚が故障してしまっていたようです。
お客様にこの件も含めた修理見積もりをご報告し、修理を快諾いただいた事からメモリの交換を行いました。
まとめ
交換したメモリはしっかりと認識されています。
今回はメモリ不良に起因したロジックボードの論理障害と、複合的に問題が起きてしまったわけですが、その分原因の究明に多少時間を要しました。それでも正常な起動が戻ってきてお客様も大変喜んでくださいました。
最近この世代のMacminiの修理相談が多く寄せられてきております。もしお持ちのMacminiが正常に起動できなくなってしまったら、弊社までご相談ください。
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